
野生の勘と理論。人類の『食』のありかたを指し示す。
単に病気治療のための指標となるばかりでなく、人類はなにを食べ、どんな文明を形成して来たか。人類の「食」の歴史の流れのなかで、私たちが行きつく果てはどこなのか。この本は、現代の食生活の問題点をくっきり浮き彫りにすることで、私たちはなにを選んで行くべきかを教えてくれています。そして、「食」は、単に空腹を見満たし、栄養を補充するためでなく、文化であることを、思いださせてもくれます。家庭医学書の枠を超えた、哲学思想の本と言っても過言ではないと思います。
宮本輝さんがしばし発言している「作家の勘」。それこそが、野生動物の生きる力。江部康二さんも野生の勘が働いて、それをよりどころに、エビデンスをしっかり打ち立てて、糖質制限食の理論体系を構築していったのだろうと推測しました。理論と勘の両方の武器を握った力強い一冊です。